ネックから編むラグランセーターの割り出し計算方法

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トップダウン (上から下に向かって) ラグランセーターを編むときの割り出し計算の考え方です。

他にも効率的な考え方があると思うので、1 つのアイデアとして参考にしていただければと思います。

女性用 M サイズで解説しています。

もくじ

ゲージ

ゲージとは 10cm × 10cm の正方形に何目×何段あるかを知るために必要なものです。

少し大きめ 15cm × 15cm で編んでみて 10cm のゲージを測ります。

人によってゲージは大きく変わりますので、作品毎にゲージをとることをお勧めします。

今回のラグランセーターはメリヤス編みで編みますので、メリヤス編みのゲージが必要です。

編み図

ネックから編むラグランセーターの割り出し計算方法

編み方

ゲージは25目×30段と仮定する

計算が分かりやすいように、ゲージは 25 目× 30 段と仮定します。

実際はもっと細かい数値になり、計算していく上で小数点なども出てくると思いますが、目数や段数ではなく「何 cm 編むか」という点が重要です。

実際に編んでみて、計算した目数や段数が多かったり少なかったりしても、長さ (cm) に合わせます。

編み始めの目数(ネック)

実際に計算するときは、1cm あたりの目数×段数で計算します。

ゲージ (10cm 四方) が 25 目× 30 段の場合、2.5 目× 3.0 段となります。

後見頃:20cm × 2.5 目 = 50 目
右袖:10cm × 2.5 目 = 25 目

編み始め目数:50 目 (後見頃) + 25 目 (右袖) + 50 目 (前見頃) + 25 目 (左袖) = 150 目

別糸のつくり目から編み始めます。→ 編み出し糸は [ダイソー リリアン糸] で代用できます ★ 別糸のつくり目から目を拾うときのコツも解説!

ラグラン線

ラグラン線は 2 目 (見頃から 1 目、袖から 1 目) とります。

後見頃:1 目 (ラグラン線) + 48 目 + 1 目 (ラグラン線) = 50 目
右袖:1 目 (ラグラン線) + 23 目 + 1 目 (ラグラン線) = 25 目

ラグラン線の隣の目を 2 段毎に 1 目ずつ増やしていきます。→ ネックからラグランセーターを編む場合のラグラン線の増やし方

ラグラン線は 15cm 分編みます。

15cm × 3.0 段 = 45 段 → 46 段 (偶数にする)
2 段毎 – 1 目 – 23 回となるので、23 目増やします。

ですが編み図を見ると、ラグラン線の編み終わりは横幅 44cm となっています。

44cm × 2.5 目 = 110 目
(110 目- 50 目) ÷ 2 (左右) = 30 目

目数の計算では 30 目増やすことになります。

横幅が小さくなるとセーターを着ることができなくなってしまいますので、ここでは横幅が 44cm になるまで増目をしながらラグラン線を編んでいきます。

前後差(後見頃を3cm延長)

ラグラン線を編み終えたら、後見頃だけ 3cm 延長します。この部分だけ、往復編みで編みます。

偶数段で終えると、以降はずっと裏目で編んでいくことになってしまうので、3cm になったら、奇数段 (表目) で終えるようにします。

マチ分の鎖編みをつくる

脇下のマチをつくります。

3cm × 2.5 目 = 7.5 = 8 目
8 目 × 2 (前後) = 16 目

別糸で 16 目の鎖編みを 2 本つくります。

腕周りを別糸にとる

進行方向に編みながら、マチ分の鎖編みから裏目を拾い、腕周り部分を別糸にとっていきます。

後見頃 (前後差) → マチ分の鎖編みから裏目 (16 目) を拾う → 右袖 (別糸にとる) → 前見頃 (表目を編む) → マチ分の鎖編みから裏目 (16 目) を拾う → 左袖 (別糸にとる)

前後見頃を輪にする

腕周りを別糸にとりながら編んでいくと、前後見頃が繋がります。

このまま見頃を 30cm 編んでいきます。

裾のゴム編み

針は見頃の号数から 3 号下げます。

1 目ゴム編みで 5cm 編み、1 目ゴム編み止めで処理します (難しい場合は伏せ止めでも大丈夫です)。

袖を編む

別糸にとっていた糸マチ分の鎖編みを外しながら、針に目を乗せていきます。

後見頃の前後差 (3cm) からは、8 目 (3 cm × 2.5 目) 拾います。

脇の真下 (ラグラン線とラグラン線の中心) で袖の減目をしていきます。→ 肩から袖口に向かって、袖を輪で編む場合の減目方法

袖の減目計算方法

39cm × 3.0 段 = 117 = 118 段 (偶数にする)
袖口:24cm × 2.5 目 = 60 目

ラグラン線の編み終わりは長さ(cm) で調整しているので、目数に誤差はあると思いますが、とりあえず製図上のサイズで計算します。実際はしっかり目数を数えた方が、より身体のサイズに合った仕上がりになると思います。

34 cm + 3 cm (マチ) + 3cm (マチ) + 3cm (後見頃の前後差) = 43cm
43cm × 2.5 目 = 107.5 = 108 目

108 目 – 60 目 = 48 目 ÷ 2 (左右) = 24 目
片側 24 目減目となります。

118 段で 24 目減目します。

118 段 ÷ 2 = 59 段
24 目 + 1 目 (間隔数) = 25 目
59 段 ÷ 25 段 = 2 あまり 9

25 – 9 = 16
2 + 1 (間隔数) = 3

2 – 16
3 – 9

計算前に段数を 1/2 しているので、計算後の段数を ×2 します。

最後は減目をしない段が必要なので、2 -16 から 1 回分減らし (これが間隔数 1)、段数を ×2 にして、4 段平となります。

4 段平
4 段毎 – 1 目 – 15 回
6 段毎 – 1 目 – 9 回

通常は袖口から編んでいくので、6 段毎 – 1 目 – 9 回から始めますが、ラグランセーターはトップダウン (上から下) で編んでいくので、4 段平から編むことになります。

ですが、〇段平は編み終わりに持ってきたいので、以下のように変更します。

4 段毎 – 1 目 – 16 回
6 段毎 – 1 目 – 8 回
6 段平

トップダウンで編んでいきますので、4 段毎 – 1 目 – 16 回から始めます。

編み方は 肩から袖口に向かって、袖を輪で編む場合の減目方法 をご参考ください。

袖のゴム編み

袖口に近づきましたら、必ず長さ (cm) を確認してください。

規定の長さになりましたら、針の号数を 3 号下げ、1 目ゴム編みを編んでいきます。

ネックのゴム編み

編み始めの別糸の鎖目を外しながら、針に目を乗せていきます。

針の号数を 3 号下げ、1 目ゴム編みを編んでいきます。

編みながら長さを測り、キツイようでしたら針の号数を上げるなどして調整してください。

裏側からスチームアイロンをあてる

糸処理を終えたら、裏側からスチームアイロンをあてましょう。

スチームアイロンをあてるかあてないかで、仕上がりが大きく変わりますので、できれば行ってください。

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